2011/01/04
【川中島バス】 さようなら「信州ウイングライナー」
平成22年12月31日の運行をもって路線休止となった、「信州ウイングライナー」こと高速バス・長野~信州まつもと空港線。
(路線休止に関することは、平成22年12月2日付けの記事をご覧ください。リンクは⇒「こちら」です。)
その運行最終日となった12月31日に、長野県庁~松本空港間を1往復乗ってきました。
県庁前の交差点、時刻は午前7時30分を少し回ったところです。駐車場の向こうには、既にアルピコカラーのバスが1台止まっています。時間的に松本線や飯田線の可能性はありませんので、もう松本空港行きが到着しているようです。
車両は…フロントガラス越しにLEDの行先表示機が見えるので、この時点で専用車の40411号車の可能性は消滅・・・・・orz。
▲ 最終日の「信州ウイングライナー」は、セレガFDの42040号車による運行です。
運転手さんに車両のことを尋ねると、「(40411号車は)新宿線の増車用に持って行かれてしまった」とのこと。そういえば、帰省ラッシュの最終日ですから、致し方ないところなのでしょう。
▲ 全体的に草臥れた印象が否めない42040号車。しかし、専用車では見られない「特急 松本空港」の表示が見られたのは、逆にラッキーだったのかも!?
▲ LED表示と乗降扉に貼られた補助サボ。補助サボは、観光バスの団体名等を記載するお馴染みの用紙で、何度も使用されているのかこちらも草臥れた様子(^^;
▲ バス停には、今日をもって運行休止する旨の張り紙がされています。
結局他の乗客は現れず、定刻の7時40分に私だけを乗せた「信州ウイングライナー」は長野県庁のバス停を出発しました。
昭和通り、長野駅前、長野バスターミナル…松本線と同じように一つ一つ乗車停留所に止まりますが、誰も乗ってきません。
「(♪) お待たせいたしました。本日は、高速バス・信州まつもと空港行きをご利用いただき、ありがとうございます。このバスは、長野インターより塩尻北インターまで、上信越自動車道、長野自動車道を走り、信州まつもと空港まで運行しますが、途中道路の混雑などで到着が遅れる場合もありますので、あらかじめご了承願います。次は、乗車停留所・丹波島橋南、丹波島橋南でございます」
ふと車内放送に耳を傾けると、「高速バス・信州松本空港行き」とアナウンスしているだけで、何処にも「信州ウイングライナー」という言葉は出てきません。せっかく公募して愛称を付けたのですから、もっと乗客の目や耳に触れるようにすればいいのに…と感じました。
バスは丹波島橋南、川中島古戦場、長野インター前と止まりますが、やっぱり誰も乗ってきません。この時点でこの便の乗客は、私一人に確定です。ということは、1500円でバスを貸し切り! ある意味ちょっとした贅沢かも!?と嬉しくなりました(^^;
高速道路は至って順調に流れ、しかも荒れた天候になるという天気予報とは裏腹に穏やかな晴天です。誰の話し声もしない静かな車内で過ごすこと1時間20分、バスは定刻より10分ほど早い9時ちょっと過ぎに松本空港に到着しました。
ちなみに、塩尻北インターの出口で表示された高速道路料金を見たら、1,450円でした。私が払った運賃1,500円のうち、1,450円が固定費に流れていくということは…やはり平均乗車人数1.8人では、とても採算が取れるわけがないのです(--;
▲ 松本空港のターミナルビルの前に停車する42040号車。
運転手さんにお礼と、空港1520発の便にも乗る予定であることを伝え、下車します。
長野に戻るまでの時間は、松本の市街地へ行って過ごすことにしました。
(松本市街でのことは、また改めて別の記事にする予定です。)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
松本バスターミナルから路線バスに乗って松本空港に戻ってきたのが14時45分頃。バスはまだ乗り場にはいません。
▲ 待機場所で折り返しの時間まで休む42040号車。後ろは松電バスの松本バスターミナル~松本空港間の路線バス。
ところで、今回の乗車券は長野駅前の案内所で発券してもらったのですが、松本空港線は端末機に情報が入っていないらしく、手書き(ゴム印押しですが(^^;)の乗車券を手渡されました。
▲ これもレア物(!?)の手書き乗車券。それほど発行頻度が高くないと見えて、良く見ると裏面の会社住所がまだ「長野市大豆島」になっています(^^;;;
長野県庁行き、「信州ウイングライナー」の最終便は、15時ちょっと過ぎになって乗り場にやってきました。今度は親子連れが1組、それともう1人別の方が乗車して、全部で4人(+幼児1人)で長野を目指します。
▲ 「信州ウイングライナー」最終便。行き先は運転手さんのサービス(!?)で、珍しい「特急 長野駅・県庁」を表示してくれました。ありがとうございます!
帰りも道は順調に流れており、気持ち早めに長野インターを通過、長野インター前で親子連れが下車します。
と、ここでとんでもないものを目にしてしまいました!
最初は団体客を乗せたバスが乗客を下ろしているように見えたのですが、追い越し様に振り返ると、バスのフロントガラスには「定(赤い字で○に定の表記)」と「路線バス」の表示が辛うじて見えました。
ということは、このバスは高速バスの続行便です!
登録番号が「長野200か・830」ということは、アルピコハイランドバスの26094号車(2006年式の新型ガーラSHD)のはず…ですが、車体裾の社番は「40830」となっています。つまり、(これまで何台か目撃していますが、)ハイランドから川バスへの移籍車ということになります。
時間的には、新宿を12時40分に出発した便でしょうか。しかも、先に発車してしまいましたが、この前にももう1台のSHD車がいたのです。1号車は京王担当便のようですが、その後ろに2台も新しいSHD車を引き連れているとは! なんとも贅沢な話です。
(っていうか、続行便の方が(トイレが無いことを除いて)車両のグレードが上ということになるのかもしれません!)
その後は信号のタイミングや市街地へ向かう道路が少し混んでいたこともあって、先に出発したもう1台のSHD車に追いつくことはできませんでしたが、長野駅前に着いた時…いましたいました。
▲ 40961号車(2005年式の新型セレガSHD、元ハイランドの25085号車)による新宿線の続行便2号車です。その先には、1号車である京王のエアロエースの姿が見えます。
ひとまず脱線はこのくらいにして、本題に戻ります。
(旧ハイランド車による高速バスの続行便の件については、その後確認した情報と合わせまして、別の機会に紹介する予定です。)
結局、長野駅前で私以外の乗客は下車してしまい、長野県庁に到着した時は私一人になっていました。最後に運転手さんにもう1度お礼を伝え、「信州ウイングライナー」最後の乗客としてバスから降りました。
▲ 帰りも10分ほど早く到着したため、15時40分発の飯田行きみすずハイウェイバスとも顔を合わせました。
▲ 足早に県庁を後にする42040号車。「信州ウイングライナー」としての代走、お疲れさまでした!
結局、専用車両でもなければ乗客もほとんどいない、最後もピリッとしない終わり方になってしまった高速バス・長野~信州まつもと空港線「信州ウイングライナー」。
そもそも、長野から松本空港を利用しようという発想に無理があったのだろうという話も耳にしますが、実際のところはどうだったのでしょうか。運行開始から7か月というあまりにも早い幕切れは、今後の復活の可能性が皆無に近いことを物語っているような気さえします。
打開策の一つになったかどうかは分かりませんが、例えば中信地区の北部からの需要があったとしたら、長野道坂北、本城、四賀、明科などに停めることも可能だったかもしれません。その辺りを検証せず、飽くまでも対・長野の輸送に拘ったが故の失敗もあるのではないかと思うのです。
もう1度運行されることがあるとしたら、今度はその辺りを生かした施策にしてもらえたらと思うのですが…
何はともあれ、
さようなら…「信州ウイングライナー」。
短い間でしたが、お疲れさまでした。
# 一つ前の記事に、諏訪のブーちゃんさんからのコメントをいただいていますが、40411号車のFDAラッピングは当面存置されるようで、それだけはせめてもの救いかも…といったところです。
(路線休止に関することは、平成22年12月2日付けの記事をご覧ください。リンクは⇒「こちら」です。)
その運行最終日となった12月31日に、長野県庁~松本空港間を1往復乗ってきました。
県庁前の交差点、時刻は午前7時30分を少し回ったところです。駐車場の向こうには、既にアルピコカラーのバスが1台止まっています。時間的に松本線や飯田線の可能性はありませんので、もう松本空港行きが到着しているようです。
車両は…フロントガラス越しにLEDの行先表示機が見えるので、この時点で専用車の40411号車の可能性は消滅・・・・・orz。
▲ 最終日の「信州ウイングライナー」は、セレガFDの42040号車による運行です。
運転手さんに車両のことを尋ねると、「(40411号車は)新宿線の増車用に持って行かれてしまった」とのこと。そういえば、帰省ラッシュの最終日ですから、致し方ないところなのでしょう。
▲ 全体的に草臥れた印象が否めない42040号車。しかし、専用車では見られない「特急 松本空港」の表示が見られたのは、逆にラッキーだったのかも!?
▲ LED表示と乗降扉に貼られた補助サボ。補助サボは、観光バスの団体名等を記載するお馴染みの用紙で、何度も使用されているのかこちらも草臥れた様子(^^;
▲ バス停には、今日をもって運行休止する旨の張り紙がされています。
結局他の乗客は現れず、定刻の7時40分に私だけを乗せた「信州ウイングライナー」は長野県庁のバス停を出発しました。
昭和通り、長野駅前、長野バスターミナル…松本線と同じように一つ一つ乗車停留所に止まりますが、誰も乗ってきません。
「(♪) お待たせいたしました。本日は、高速バス・信州まつもと空港行きをご利用いただき、ありがとうございます。このバスは、長野インターより塩尻北インターまで、上信越自動車道、長野自動車道を走り、信州まつもと空港まで運行しますが、途中道路の混雑などで到着が遅れる場合もありますので、あらかじめご了承願います。次は、乗車停留所・丹波島橋南、丹波島橋南でございます」
ふと車内放送に耳を傾けると、「高速バス・信州松本空港行き」とアナウンスしているだけで、何処にも「信州ウイングライナー」という言葉は出てきません。せっかく公募して愛称を付けたのですから、もっと乗客の目や耳に触れるようにすればいいのに…と感じました。
バスは丹波島橋南、川中島古戦場、長野インター前と止まりますが、やっぱり誰も乗ってきません。この時点でこの便の乗客は、私一人に確定です。ということは、1500円でバスを貸し切り! ある意味ちょっとした贅沢かも!?と嬉しくなりました(^^;
高速道路は至って順調に流れ、しかも荒れた天候になるという天気予報とは裏腹に穏やかな晴天です。誰の話し声もしない静かな車内で過ごすこと1時間20分、バスは定刻より10分ほど早い9時ちょっと過ぎに松本空港に到着しました。
ちなみに、塩尻北インターの出口で表示された高速道路料金を見たら、1,450円でした。私が払った運賃1,500円のうち、1,450円が固定費に流れていくということは…やはり平均乗車人数1.8人では、とても採算が取れるわけがないのです(--;
▲ 松本空港のターミナルビルの前に停車する42040号車。
運転手さんにお礼と、空港1520発の便にも乗る予定であることを伝え、下車します。
長野に戻るまでの時間は、松本の市街地へ行って過ごすことにしました。
(松本市街でのことは、また改めて別の記事にする予定です。)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
松本バスターミナルから路線バスに乗って松本空港に戻ってきたのが14時45分頃。バスはまだ乗り場にはいません。
▲ 待機場所で折り返しの時間まで休む42040号車。後ろは松電バスの松本バスターミナル~松本空港間の路線バス。
ところで、今回の乗車券は長野駅前の案内所で発券してもらったのですが、松本空港線は端末機に情報が入っていないらしく、手書き(ゴム印押しですが(^^;)の乗車券を手渡されました。
▲ これもレア物(!?)の手書き乗車券。それほど発行頻度が高くないと見えて、良く見ると裏面の会社住所がまだ「長野市大豆島」になっています(^^;;;
長野県庁行き、「信州ウイングライナー」の最終便は、15時ちょっと過ぎになって乗り場にやってきました。今度は親子連れが1組、それともう1人別の方が乗車して、全部で4人(+幼児1人)で長野を目指します。
▲ 「信州ウイングライナー」最終便。行き先は運転手さんのサービス(!?)で、珍しい「特急 長野駅・県庁」を表示してくれました。ありがとうございます!
帰りも道は順調に流れており、気持ち早めに長野インターを通過、長野インター前で親子連れが下車します。
と、ここでとんでもないものを目にしてしまいました!
最初は団体客を乗せたバスが乗客を下ろしているように見えたのですが、追い越し様に振り返ると、バスのフロントガラスには「定(赤い字で○に定の表記)」と「路線バス」の表示が辛うじて見えました。
ということは、このバスは高速バスの続行便です!
登録番号が「長野200か・830」ということは、アルピコハイランドバスの26094号車(2006年式の新型ガーラSHD)のはず…ですが、車体裾の社番は「40830」となっています。つまり、(これまで何台か目撃していますが、)ハイランドから川バスへの移籍車ということになります。
時間的には、新宿を12時40分に出発した便でしょうか。しかも、先に発車してしまいましたが、この前にももう1台のSHD車がいたのです。1号車は京王担当便のようですが、その後ろに2台も新しいSHD車を引き連れているとは! なんとも贅沢な話です。
(っていうか、続行便の方が(トイレが無いことを除いて)車両のグレードが上ということになるのかもしれません!)
その後は信号のタイミングや市街地へ向かう道路が少し混んでいたこともあって、先に出発したもう1台のSHD車に追いつくことはできませんでしたが、長野駅前に着いた時…いましたいました。
▲ 40961号車(2005年式の新型セレガSHD、元ハイランドの25085号車)による新宿線の続行便2号車です。その先には、1号車である京王のエアロエースの姿が見えます。
ひとまず脱線はこのくらいにして、本題に戻ります。
(旧ハイランド車による高速バスの続行便の件については、その後確認した情報と合わせまして、別の機会に紹介する予定です。)
結局、長野駅前で私以外の乗客は下車してしまい、長野県庁に到着した時は私一人になっていました。最後に運転手さんにもう1度お礼を伝え、「信州ウイングライナー」最後の乗客としてバスから降りました。
▲ 帰りも10分ほど早く到着したため、15時40分発の飯田行きみすずハイウェイバスとも顔を合わせました。
▲ 足早に県庁を後にする42040号車。「信州ウイングライナー」としての代走、お疲れさまでした!
結局、専用車両でもなければ乗客もほとんどいない、最後もピリッとしない終わり方になってしまった高速バス・長野~信州まつもと空港線「信州ウイングライナー」。
そもそも、長野から松本空港を利用しようという発想に無理があったのだろうという話も耳にしますが、実際のところはどうだったのでしょうか。運行開始から7か月というあまりにも早い幕切れは、今後の復活の可能性が皆無に近いことを物語っているような気さえします。
打開策の一つになったかどうかは分かりませんが、例えば中信地区の北部からの需要があったとしたら、長野道坂北、本城、四賀、明科などに停めることも可能だったかもしれません。その辺りを検証せず、飽くまでも対・長野の輸送に拘ったが故の失敗もあるのではないかと思うのです。
もう1度運行されることがあるとしたら、今度はその辺りを生かした施策にしてもらえたらと思うのですが…
何はともあれ、
さようなら…「信州ウイングライナー」。
短い間でしたが、お疲れさまでした。
# 一つ前の記事に、諏訪のブーちゃんさんからのコメントをいただいていますが、40411号車のFDAラッピングは当面存置されるようで、それだけはせめてもの救いかも…といったところです。