2013(平成25)年9月4日の記事でも同じような内容を紹介していますが、先日訪れた信濃大町駅前で初見の路線転用改造車を目撃することができました。



▲ フロントの行灯部分がLEDに改造され、乗降口に運賃箱が設置されたくろべ-55号車。登録番号から、1997(平成9)年式のふそう・ニューエアロクイーンI・KC-MS822Pと推測されます。



▲ LEDのアップ。行先が漢字とローマ字で表記されています。



▲ リアの様子。後部にはサボ式の運行区間表示板が設置されています。製造から20年近く経ていますが、ナンバープレートの塗装が褪せている以外は、非常に良く手入れされた車体を保っています。


2年前の記事でも同じような改造内容を紹介していますが、徐々にこのような車両が増えているということは、パンダ顔の車両はもう全車引退してしまっているのでしょうね…



アルピコ交通とともに、信濃大町駅~扇沢駅間の路線バスを受け持つ北アルプス交通(関電アメニックス)。この路線に使用される車両は、経年車となった貸切車の転用改造により賄われているのがここ最近の流れ(以前は路線バス然とした仕様の車両もいたようですが…)のようで、一般的には第一線を退いた年代のエアロバスなどが元気に活躍しているのが特徴です。

しかし、そうはいっても経年車をいつまでも使う訳にもいかず…というのが実情なのか、毎年1~2台ずつは車両の入れ替えが行なわれているようで、最近では初期のニューエアロバス・ニューエアロクイーン1などが転用改造の上、路線バスとして活躍する姿が見られるようになりました。

そのなかで、「くろべ-53」の番号が付けられたニューエアロクイーン1は、行先表示器にLEDが採用されており、同社の路線車では初の仕様ではないかと思われます。



▲ 扇沢駅からの下山客を沢山乗せて、信濃大町駅に到着する「くろべ-53」(松本22あ18-17)。路線転用が行なわれたのはここ最近のことと思われ、私自身も初見の車両です。



▲ 行先表示器は、行灯部分にLED表示器が収められ使用されています。従来の車両は、プレートや方向幕を使用しており、北アルプス交通では初めての仕様ではないかと思われます。



▲ 信濃大町駅前で「くろべ-53」と並ぶニューエアロバスの「くろべ-52」(松本22あ16-69)。こちらは行先表示器に方向幕を使用しています。まだパンダ顔のエアロバスも活躍しているとはいえ、着実に世代交代していっているようです。



8月25日(土)の記事で、北アルプス交通(長野県大町市)のパンダエアロ(エアロバス)のことを紹介しましたが、その後別の日に大町を訪れたところ、この車両も健在であるのを確認できました!


▲ 信濃大町駅近くの北アルプス交通の駐車場から出てきた「くろべ-39」。形式はP-MS729Sと思われます。


こちらは、スーパーハイデッカータイプの「エアロクイーン」と呼ばれるタイプの車両で、似たような車体ながらも先の記事で紹介した車両より床が高いのが特徴です。
この時は、貸切運用に就いていたようですが、フロントの行燈は幕式になっており、また側面やリアにはサボ受けが装備されていますので、信濃大町駅~扇沢駅間の路線バスとしても運用することが可能となっています。


★ ☆ ★ ☆ ★


過去の画像を探してみたところ、2010(平成22)年の秋に大町を訪れた際に、この「くろべ-39」が信濃大町駅~扇沢駅間の路線運用に就いているのを記録していました。



▲ 信濃大町駅前のバス乗り場に停車中の「くろべ-39」。里にも紅葉が降りてきている時期の平日であったため、乗客はまばらだったような記憶があります。



▲ 路線運用時にはリア及び側面にサボを差しています。



▲ 信濃大町駅を出発する「くろべ-39」。間もなくアルペンルートのシーズンも終了という頃、山の上はもう雪が降りている時期でしょうか。


この「くろべ-39」、年式は定かではありませんが、このナンバーで新車登録されているのであれば、1989~90(平成元~2)年頃の登録と思われます。
(参考;松本電鉄バスの高速用パンダエアロの10920号車(1989年式)が「松本22あ13-66」、エアロスターKの10010号車・10011号車(1990年式)が「松本22あ13-67」~「同 13-68」の登録番号を付けていますので…)

ところで、社番と思われる「くろべ-39」の番号ですが、この記事の車両と年式的には連番だと思われるものの、あちらは「くろべ-50」となっています。
推測ですが、この間の番号を埋める車両があることはまず考えられませんので、“4”を忌避番号として扱い、40番台の番号を全て飛ばしてしまったのではないでしょうか。

車齢的にはいついなくなってもおかしくない年数が経っていますが、やはり大切に扱われているようで、車体には古さを感じさせない輝きが見られました。もうしばらくは頑張ってくれることを期待したいものです(^^;



北アルプス交通-現在は、大阪市中央区に本社を置く株式会社関電アメニックスの北アルプス交通事業部-は、大町市に営業所を置くバス事業者ですが、1つだけ路線バスを運行(他にも大町市から委託を受けてコミュニティバス「ふれあい号」を運行)しています。

信濃大町駅~大町温泉郷~日向山高原~扇沢駅の約18kmを走る路線がそれで、川中島バスとの共同運行により“立山黒部アルペンルートとの接続”という重責を担っています。

路線バス用の車両はそれほど多くはないようですが(Wikipediaには、2010年現在で5台との記述あり。)、いずれもふそうの貸切車のような仕様をした車両ばかりで、なかにはこのような車両もまだ現役で走っています。





▲ 三菱ふそう製の、いわゆる“パンダエアロ”と呼ばれるハイデッカー車。登録番号から推定して、新車登録ならば1992(平成4)年製の車両であると思われます。形式は、U-MS726Sあたりでしょうか。


“くろべ-51”という文字が、車体に切文字で貼り付けられていますが、恐らく同社の社番のようなものだと思われます。
2010年5月6日の記事に登場する車両が“くろべ-50”で、2010年9月14日の記事に登場する車両が“くろべ-59”ですから、凡そ連続性があるものとみていいと思います。

驚くのは、車両の古さと裏腹な美しい車体です。冬季はこの路線は運休(信濃大町駅~日向山高原間のみ運行)となるわけですが、車両にとっての気象条件的にはとって厳しいところですので、塩カルによる車体の錆や塗装の劣化などがあっても致し方ないところです。しかし、見る限りそのようなものは見受けられず、いかに大切に整備され、運行されているかが分かります。

車齢20年を過ぎる頃ですが、まだまだ現役で活躍してほしいところです!


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