【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)

明科駅前1620発の松本電鉄会田線のバスに乗りおよそ40分、終点の「保福寺下町」に到着しました。
保福寺下町のバス停は、これまで上ってきた道の右側にあり、折返し場としてバス2台分くらいのスペースの空き地を備えています。バスは道路上で切り返し、この折返し場にバックで入ります。結局ここまで乗ったのは私1人だけでした。


【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 終点・保福寺下町に到着した会田線のバス。折返しは回送として営業所に引き上げて行く。


【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ すぐに今来た道を下っていく回送のバス。次にバスが来るのはおよそ1時間半後。


【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 保福寺下町のバス停を、今上ってきた道の方向から撮影したもの。現在は全てのバスがここで終点であるが、16年前までは少し先の「保福寺天王」まで四賀線のバスが運行されていた。


【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 上の写真とは逆に、保福寺峠側から保福寺下町バス停方向を撮影したもの。元宿場町だけあって、道路沿いには大きな門構えの建物や、立派な土蔵を備えた大きな家が軒を連ねている。


【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 保福寺下町から出るバスは平日のみ5本。松本行きが4本と明科行きが1本という寂しさ。



さすがに店も何も無いところ(見た感じ自販機さえ…orz)で1時間半バスを待つのは辛いため、(その1)で書いたとおり、時間を合わせて松本市内の親戚に迎えに来てもらい、明科駅までの“臨時便”で無事に戻ることができました(^^)v


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ところで、会田線の運賃は、150円、300円、450円と150円刻みで、途中のどの区間においてもこの3種類以外の金額になることはありません。それにしても大雑把過ぎます。
また、明科駅前~保福寺下町間450円という運賃は、他の路線と比べて安過ぎるような気がするのですが、どうなのでしょうか。

距離の比較では無いので正確性に欠けますが、所要時間がどちらも約40分という点で距離にさほど差は無いものと思われるため、保福寺下町から松本までと明科までの運賃を比較してみましょう。松本までは(上の時刻表下部に記載された運賃表からも分かるとおり)850円です。ところが、明科までは450円ですので、明らかに会田線の運賃は安いことが分かります。これはなぜなのでしょうか。

平成21年1月1日のダイヤ改正まで、四賀地区の松本市営バスは四賀線及び会田線の廃止区間を代替して運行されていたため、松電バスとの競合区間は(四賀支所付近を除いて)基本的に存在しませんでした。
しかし、このダイヤ改正で、市営バスが四賀支所~大木戸間にも運行されることになったため、この区間は路線の競合区間(…といっても本数が本数ですので、利用者に選択の余地は無いわけですが(^^;;;)となってしまいます。もちろん運賃の水準も異なるため、会田線の運賃を市営バスに合わせて値下げする措置が取られました。150円刻みというのは、四賀地区の市営バスの運賃に合わせたものだったというわけです。
ちなみに、それまでは明科駅前~保福寺下町は750円、明科駅前~会田は440円(改正後300円)、会田~保福寺下町は430円(改正後300円)でしたので、約6~7割程度に値下げされたことになります。
そして、この改正以降、会田線は松電バスの全線時刻表から姿を消します。一部の資料には、会田線では松電バスの回数券「ラ・クーポン」の使用はできない旨の記述があるものも見つけたので、恐らく、この改正以降会田線は、松電バスの路線ではなく、市営バスの一部として明科へ乗り入れる便のみ運行委託をされるようになったのではないでしょうか。
(特にその辺りの経緯に触れた資料は見つけられていません。先日の乗車の際は、知らずに回数券で運賃を支払ってしまったのですが、運転手さんからは何も言われませんでしたが…??)


【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 資料収集のために別の日に立ち寄った四賀支所前で、松本市営バスに偶然遭遇! 化石館発、大木戸経由、会吉行きという経路を辿っている。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


また、保福寺下町の時刻表に記載されていた運賃表で、不思議な箇所を見つけました。

これと、
【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 運賃表の部分を拡大したもの。


これを比較すると…
【松本電鉄】 会田線乗車記(その3)
▲ 保福寺下町到着直前の車内運賃表(会田線)。


明らかな矛盾が生じているのがお分かりでしょうか。

保福寺下町から会田線に乗車した場合、バス停の運賃表では化石館までは四賀線と同じ230円になっています。しかし、反町農協前までは150円に下がっています。
そして、バス車内の運賃表示には、保福寺下町まで230円の区間は存在しません

…ということは、バス停の運賃表が誤っているものと思われますが、もしそうだった場合、保福寺下町~化石館では、四賀線は230円、会田線は150円と、2通りの運賃が存在してしまうことになってしまいます。同じ会社のバスではそんなことはあり得ない(※)ので、やはり会田線は純粋な松電バスの路線ではないということになるのでしょうか。
(H20.7版の全線時刻表の四賀線の欄を見ると、保福寺下町~化石館間の運賃は230円との表示がありますので、松電バスとしては同区間は230円という運賃設定なのだろうと思います。)


(※) 以前、長野市役所周辺を走っていた川中島バスの[80]系統では、市内100円均一区間を飛び出す長野鶴賀~商工会議所~栗田~ABN~東口の区間において、このバスに限り100円(通常の路線バスでは運賃表どおり)という2重運賃が存在していました。



同じカテゴリー(乗車記)の記事画像
【松本電鉄】 会田線乗車記(その2)
【松本電鉄】 会田線乗車記(その1)
【乗車記】 松本電鉄バス・梓川線のお名残乗車
【乗車記】 最後の夜行客車急行「はまなす」(その2)
【乗車記】 最後の夜行客車急行「はまなす」
【乗車記】 「トワイライトエクスプレス」で北の大地へ!(2)
同じカテゴリー(乗車記)の記事
 【松本電鉄】 会田線乗車記(その2) (2010-09-25 07:01)
 【松本電鉄】 会田線乗車記(その1) (2010-09-24 07:01)
 【乗車記】 松本電鉄バス・梓川線のお名残乗車 (2010-08-13 07:01)
 【乗車記】 最後の夜行客車急行「はまなす」(その2) (2010-08-03 07:01)
 【乗車記】 最後の夜行客車急行「はまなす」 (2010-08-02 07:01)
 【乗車記】 「トワイライトエクスプレス」で北の大地へ!(2) (2010-07-15 07:15)
< 2024年05月 >
S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
プロフィール
ホリデー横浜
ホリデー横浜
《こちらにお越しの皆さまにお願い》

この日記は、個人的な趣味で書いているものです。
記事の内容について、(取り分け趣味的な目的で)直接事業者等へお問い合わせされることは、先方の迷惑になる恐れがありますので、ご遠慮くださるようお願いいたします。

また、記事の内容は、自らが収集した情報等に基づき、飽くまでも主観的に記述しているもので、事実と異なる場合もございます。その結果、この日記をご覧の方が不利益を被った場合でも、当方では一切の責任を負いかねますので、ご了承くださいませ。
(※ バスや鉄道の路線や時刻等を案内することを目的とするサイトではございません。
また、事業者等への意見や要望、苦情等(≠個人的な意見・感想)を記すことを本意とするものでもございませんので、そのことに関するコメントや議論には、このブログの内外を問わず、当方は一切関与いたしません。)
過去記事
カテゴリ
FDA (3)
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 41人
オーナーへメッセージ
QRコード
QRCODE
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8