【川中島バス】 さよなら“620”ツアー(その7)

ホリデー横浜

2010年11月20日 07:01

アプトの道を下り、峠の湯まで辿り着きました。ここで入浴…ではなくて(泣、すぐにトロッコ列車に乗り換えて、横川駅に隣接する「碓氷峠鉄道文化むら」を目指します。

トロッコ列車の時間までは、バスのミニ撮影会に(^^;
軽井沢からめがね橋まで、私たちを連れてきてくれた草軽交通の1143号車も待っていてくれました!



▲ 峠の湯の駐車場にて待機していてくれた草軽交通の1143号車。バックのめがね橋調の建物が峠の湯です。ここには何度か来ているものの、いずれも入浴せずに帰っています(^^;;;



▲ 運転手さんのご好意で、ほんの少しながら方向幕回しのサービスも(^^)。「廻送」や「湯田中」幕も見てみたかったのですが、それはまた次の機会ということで(^^;



▲ 峠の湯~文化むら間のトロッコ列車は一般混乗でした。なかなか盛況のようで、2両の客車には相当数の立ち客がいました(^^;



▲ 途中、「まるやま」駅を通りますが、下車希望者がいないということで通過扱いに。目の前には旧丸山変電所が保存されていますが、現役時代とは比べ物にならないくらい整備が行き届き、中では何かの展示イベントも開かれているようでした。コレはまた是非行ってみないと…



▲ “碓氷峠鉄道文化むら”に到着。すでに日没直前…という暗さですが、ここで2時間散策タイムです。


“碓氷峠鉄道文化むら”は、北陸新幹線の開業に伴い平成9年9月末をもって運転が取りやめられた信越本線横川~軽井沢間のことを後世に伝えていくため、また、国鉄の分割民営化の頃から高崎鉄道管理局(JR化後は高崎支社)が全国各地から集めた貴重な実物車両を展示するため、1999(平成11)年4月に旧横川運転区跡の敷地を利用して開設された鉄道のテーマパークです。
展示物の中でも、峠のシェルパとして活躍したEF63形電気機関車の実物を、かつてそれが行き交った線路を使って体験運転できるアトラクションは、費用が高額であるにも拘らず大盛況であると聞きます。私もいずれ…とは思っているものの、なかなか先立つものがなくては…orz



▲ EF63 24+25号機。体験運転での使用にあたり、架線電圧を600Vに下げる改造が車両及び地上設備共に行なわれたため、かつてのような豪快なブロワー音は聞けなくなりましたが、現役時代に走っていた線路を今も動くことができるのは非常に意義深いと思います。体験運転用のEF63型電気機関車は、当初は現役時代最後の塗色であった茶色に塗られていましたが、現在は再度青色に変更されています。(写真は2003年10月25日撮影。)



▲ クハ189-506 現役時代はいわゆる“あさま色”だった車両ですが、鉄道文化むらでの展示にあたり、国鉄色に塗り戻され、JNRマークなども復活しています。(同じく2003年10月25日撮影。)


ここには過去何度となく来ているのですが、飽きが来ないのが不思議なところです。
実物の展示車両の内外を見学し、資料館を見たりして過ごしますが、日が山の陰に落ちて冷えてきたため、横川駅前のおぎのや食堂へ駆け込み、暖かいものをいただくことに。蕎麦と力餅が美味しかったです!
(展示車両の話題などは、また改めて別に機会が設けられればと思いますので、ここでは割愛させていただきますm(__)m)



▲ 駅前のおぎのや食堂でいただいた天ぷらそば。濃い目のだしと手作りのかき揚げ、そして少し黒い蕎麦がとても美味しく、体を温めてくれました。


そして17時。
文化むらを出発した45620号車は、長野市までの最後の行程に就きます。



▲ 出発前、日没時の光の加減か辺りが青い色に包まれました。そんな中佇む45620号車がなんだか幻想的に見えました。


ここからは一直線に長野を目指すべく、碓氷バイパスでも旧道でもなく、少し高崎方面へ戻って松井田妙義インターから上信越道に入りました。ここから碓氷軽井沢インターまでの区間は、ハイスピードで登坂するエンジンの爆音を楽しませてくれました(^^; 正に老兵ここにあり!といった感じで、少しも草臥れた感じを見せない豪快な走りでした。
横川から約1時間で東部湯ノ丸SAに到着。ここで少し休憩を取り、長野駅東口には予定の時刻より若干早い18時50分頃に到着しました。



▲ 東部湯ノ丸SAにて。水銀灯に照らされ、緑色の光の中に45620号車が浮かび上がりました。



▲ “次は終点、長野駅東口”-運転手さんのサービスで、最後に東口に到着する旨のアナウンスが車内に流れました。もちろん、降車ボタンで応えたのは言うまでもありません(^^;;;



▲ 本社への回送前の1コマ。運転手さんや添乗のスタッフの皆さんを囲んでの記念撮影をしたり、最後まで和気藹々とした雰囲気のツアーでした。


その翌週、回数券を買いに大塚南の川バス本社をバスで訪れたのですが、構内をグルッと回る路線バスの車内から、45620号車の姿がチラッと見えました。
あれから数日、ただ無言の日々を過ごしてきたと思われる45620号車は、暗い構内に佇んで何を思っていたのでしょうか。バスとしてこの世に送り出されてから24年、数え切れないくらいの乗客の思い出と共にあったことを思い返していたのではないか、そんな気がしました。願わくば、どこかで静態保存だけでも…と思いながらも、それも敵わないのが現実です。聞けば9月のバスまつりのときは、まだ廃車にすることは決まっていなかったとのこと、正に青天の霹靂とはこのことではないでしょうか。突然訪れた最後の営業運転を、せめてこうして記録として残すことで、あの古いバスにとっての最後の思い出を刻んであげられれば…そんな思いでこの記事をおしまいにしたいと思います。

ありがとう、そして…さようなら。

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